地形概要の把握
地下流水音の測定箇所を決めるには、崩壊の発生しやすい(地下水が集中しやすい)地形の特徴を把握する事が重要です。
- 地形図(国土地理院1:25000地形図、陰影図など)、空中写真等を準備する。
- 現地の地形概要を把握する。
<ポイント>地下水は断層、節理、地すべり地形の側方崖、舌部、地質境界、亀裂、破砕帯等、周囲と透水性にギャップのある場所を流れやすいです。また、斜面の凹地や遷緩点では湧水が発生しやすいです。このような地質構造が現地にないか、あらかじめ空中写真や地形図、CS立体地図等で把握しておきます。CS立体地図を作ると水のありそうな場所がより分かりやすくなります。
参考文献:
・長野県>長野県林業総合センター>研究成果>成果の普及・啓発>数値地形データを用いた「微地形図」の作成方法
https://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/documents/bichikei.pdf
・路網部会有識者会議編(2014)「「長野県型立体地形図=CS立体図」を用いた林内路網の路網配置検討手法」:
長野県、長野県森林整備加速化・林業再生協議会 路網部会
http://www.rincon.or.jp/sinrinseibikasokukaringyosaiseikyogikai/ - 現地調査の際は、これらの現地の情報を見逃さないように測線を決定します。
測線の決定
崩壊の発生しやすい地形の特徴を考慮して測線と測定間隔を決定します。
水平堆積構造の地質からなる地形の場合、縦断方向に測線を設けると湧水の発生しやすい地質境界を見つけやすくなります(図1(a))。
縦断方向の断層や地質境界などに起因する湧水の発生しやすい場所は横断方向に測線を設けると見つけやすくなります(図1(b))。
測定間隔は水みちを漏らさない間隔とし、特に斜面の地表にみられる小さな凹地形は過去の湧水で侵食され形成されたものと考えられるため(図2、写真1)、必ず測定してください。
(参考文献:新日本編集企画編(2014)「斜面崩壊対策技術:メカニズム・センシング・監視システム・新施工法」P.229,株式会社エヌ・ティー・エス) |
(参考文献:路網部会有識者会議編(2014)「「長野県型立体地形図=CS立体図」を用いた林内路網の路網配置検討手法」p.16:長野県、長野県森林整備加速化・林業再生協議会 路網部会) |