地下流水音測定装置の用途
地下流水音探査は、現地の地下水の流れる場所が分からずに発生するさまざまな問題の解決に役立てることができます。
次に、地下流水音探査の応用事例をご紹介しますが、ここに紹介した事例以外の用途にも用いることができますので、疑問点や不明点は遠慮なくお問い合わせください。
斜面の防災対策
- 斜面の崩落危険個所の予測
- ハザードマップの精度向上
- 間隙水圧計や土壌水分計等の設置個所の選定
- 地下水位計の設置個所の選定
- 斜面対策工(排水工・擁壁工・待ち受け工、アンカー工等)の設計・施工
- 地すべり対策工(集水井・横ボーリング等)の設計・施工
- 災害復旧緊急工事の際の排水対策箇所の選定
道路の防災対策
- 道路のり面の崩落危険個所の予測および点検個所の選定
- 林道の崩落危険個所の予測および点検個所の選定
- 擁壁水抜き位置の設計・施工
- 林道等線路の設計
ダム・堤防の防災対策
- ロックフィルダム、アースダム等の漏水箇所の調査
- ため池の漏水箇所の調査
- 堤防の漏水箇所の調査
- 堤防の地下水・浸透水調査
- 築堤前の事前調査
地盤調査
- ボーリング調査の事前調査
- マンションや宅地の基礎工事を行うための地盤調査
- 宅地開発のための地盤改良等の事前調査
その他
- 鉄道沿線の盛土
- 切土区画の斜面崩壊の危険性の予測
- 地下水や井戸を掘る際の位置探査
実際の測定事例
斜面崩壊ハザードマップの作成
測定結果から斜面崩壊ハザードマップを作成することができます。
一般に尾根型斜面は崩壊しにくいと言われますが、実際には崩壊が発生している場所もあります。図1(a)の赤い所が地下流水音の大きい個所で豪雨時に地下水位が上昇しやすいと考えられる場所です。崩壊裸地や古い崩壊跡は地下流水音の大きい赤い所の真下で発生しています。
斜面勾配と地下流水音の大きさから斜面の危険度を評価したところ図1(b)のように安全な場所と危険な場所に分けることができ新旧の崩壊位置と概ね一致していました。
出展:平成17年度 京都大学防災研究所研究発表講演会
「地下流水音分布による傾斜崩壊ハザードマップの作成」