機器構成
【概 要】
本装置は①ピックアップセンサー、②測定記録器、③ヘッドホンで構成されています(写真1)。
ピックアップセンサーで捉えた地下流水音は測定記録器で処理され、ヘッドホンやレベルメーターによって、音の強弱を聴覚的・視覚的に判断することができます。
測定地点における地下流水音の強弱の代表値を演算し、表示するとともに、この代表値は内部メモリーに保存することができます。
保存された代表値は測定終了後にパソコンへRS-232C信号で出力し、表計算ソフト等で確認することができます(図1)。
測定した源音には、地下水の流れる音、風音、砂礫の摩擦音等、外界のノイズが含まれています。
本装置の測定記録器は測定した音源から周波数を制限する機能(フィルター)を用いて、地下流水音以外のさまざまなノイズを低減し、目的の音を取り出すことができます。
周波数制限機能は制限する低周波と高周波を各4段階に設定し、16種類の組み合わせから聴き取りやすい組み合わせを選ぶことによって現場で発生するノイズに対して柔軟に対応できるようになっています。
各部説明
ピックアップセンサー
ピックアップセンサーは、微弱な地下流水音を捉えます。
ピックアップセンサーは、①加速度センサー、②センサーロッド、③防振板で構成されています(図2)。
- ①加速度センサー
地中を伝搬する微弱な振動(音)を底面で検出し、電圧信号に変換後、測定記録器へ送信します。 - ②センサーロッド
地面に挿入し、センサーと地面とを固定するためのアタッチメントです
(地盤にセンサーを固定するためのもので、音を検知するものではありません)。 - ③防振板
ケーブルの揺れや振動によるノイズがセンサーへ伝わるのを防ぎます。
固定具の種類と用法
- 1.センサーロッド(一般的な地盤用)
センサーロッドが挿入できる地盤でのセンサー固定に用います(写真2)。
長さ:10cm、15cm、20cmの3種類があり測定する地盤の性質に合わせて付け替えます。20㎝:センサー底面の接触が維持できない軟弱な地盤用
15㎝:標準:一般的な地盤用
10㎝:地盤の土層が浅い場所用 (法面の吹付工など)写真2 センサーロッド - 2.センサーディスク(硬地盤用)※近日発売予定(現在試作中)(別売り)
センサーロッドが挿入できない、コンクリートやアスファルトでのピックアップセンサー固定に用います(写真3)。写真3 センサーディスク
アクセサリー※近日発売予定(現在試作中)
- 1.風防
風が強い時など風切音がノイズになります。ピックアップセンサーに風防を取りつけることで■風切音■が軽減されます(写真4)。写真4 風防 - 2.ピックアップセンサーホルダー
ピックアップセンサーをセンサーホルダーに入れることで、足場の悪い場所でも安全に移動できます(写真5)。写真5 ピックアップセンサーホルダー
測定記録器
測定記録器は地下流水音のノイズ成分を低減する周波数フィルター、増幅度(音量)設定、デジタル処理による地下流水音の代表値の演算を行い、内部メモリーにデータを記録します。
内部メモリーに記録した地下流水音のデータは別途用意するパソコンへ出力可能です。
また、設定した周波数フィルターの周波数帯、増幅度(音量)で捉えた地下流水音をヘッドホンとLINE OUTに出力します(写真6)。
正面
- ①電源スイッチ
「◯」側で電源が切れ、「┃」側で電源が入ります。
(OFF)◯┃(ON)
- ②電池残量警告ランプ
本装置は単三乾電池8本(DC12V)にて動作します。
電池残量警告ランプは電池の合計電圧が9V以下になると点灯します。
このランプが点灯した際は、新しい電池に交換して下さい。
(バックライト点灯せず連続使用した場合、約15時間使用できます) - ③レベルメーター
地下流水音のレベルを指示するアナログメーターです。
指示針の振幅によって音の強弱を視覚的に判断できます。 - ④液晶表示器
地下流水音の測定条件や測定データ、時計、各種設定等を表示します。
夜間の測定時にはバックライトを点灯できます。 - ⑤操作スイッチ
表示の切り替え、設定値の変更等の各種操作を行うスイッチです。
MODE・▲・▼・◀・▶・SET の6つのスイッチがあります。 - ⑥RECORDスイッチ
測定データの記録を開始するためのスイッチです。また、記録したデータの消去にも使用します。
側面
- ①センサー入力コネクター
ピックアップセンサーを接続するコネクターです。 - ②ヘッドホン出力コネクター
ヘッドホンを接続するコネクターです。 - ③ストラップ取付金具
付属のストラップを取り付ける金具です。 - ④RS-232C出力コネクター
記録データをパソコン(PC)などに出力するRS-232C用のコネクターです。 - ⑤LINE出力コネクター
設定した周波数帯、増幅度の地下流水音の波形信号を出力するコネクターです。
直径3.5mmステレオミニジャックにて接続します。
外部測定器、ボイスレコーダー等を接続することで地下流水音を録音でき、また、ヘッドホン、スピーカー等を接続することで測定者以外の人も同時に音を聴くことができます。
ヘッドホン
ピックアップセンサーで捉え、測定記録器で周波数フィルター処理及び増幅処理した地下流水音をリアルタイムで聴くことができます。
音の再現性がよく、聴き分けがしやすい密閉型のヘッドホンです(写真8)。