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地下流水音を聴いてみよう

地下流水音を聴いてみよう

地下水が流れている場所と流れていない場所の音とその波形です。
クリックして地下水がある場所とない場所の音を聴き比べてみましょう。
「ポコポコ」「コロコロ」という音が聴こえましたか?
これが地下流水音です。
どうしてこのような音がするのか、次で解説します。

地下流水音あり 地下流水音あり
地下流水音あり 地下流水音なし
地下流水音を測定している様子
写真1 地下流水音を測定している様子

地下流水音の発生メカニズム

地下流水音とは、地下の水が流れる時に発する「コロコロ」「ポコポコ」などの音のことをいいます。地下流水音は原音では風音、土、礫の摩擦音などが混入し聴き分けることができないのですが、フィルターを通して、風音、摩擦音などの不要な音を減少させることによって聴き取ることが可能となります。
地下の水が流れるときに発生する音は、以下のメカニズムで発生しています。
一般に、地下に水が発生していない状態の斜面の土層は、図3(a)に示すように、土粒子間の隙間に空気と水が存在しています。
これを不飽和状態といいます。
不飽和状態では土粒子間の小さい隙間に(毛管)水が吸着しています。
一方、大きい隙間には空気が存在します。ここへ図3(a)に示すように①から水が浸入すると、土粒子間の空気は②へ押し出されます。
しかし、空気の抜け道には、土粒子間に吸着している(毛管)水でふたがされているので、空気はこれを押しのけねばなりません。
このとき、シャボン玉を膨らませるのと同じように、土粒子間の隙間に吸着されていた(毛管)水は空気によって押し出され図3(b)のように進行方向に水膜ができます。
そして、水が土粒子間の隙間を埋めると同時に割れてしまいます。
この水膜が割れる瞬間に「ポコ」と気泡のはじける音がします。
この音を「曝気音(ばっきおん)」といいます。
図1、2に示した、地下水が流れている場所の波形でいうと、一つの波形が「ポコ」という一つの曝気音に相当します。
この気泡の音色には「コロ」・「ポコ」・「ボコ」など音の高さの異なるものがあります。
これは土粒子間の隙間の大きさよって、気泡の大きさが変わるためです。
大きい気泡は低い音を、小さい気泡は高い音を発します。
このような大小さまざまな大きさの気泡が土の中でたくさんはじけることで地下流水音が生じます。
一方、地下の水が多く流れている場所では、土の中の空気と水が盛んに交換されます。
つまり、地下の水が多く流れている場所ほどたくさんの気泡がはじけ、地下流水の音の強さが強くなります。
地下流水音測定装置は、この音の強い場所を探すことで、地下の水が流れる場所(水みち)を特定しています。

地下水が流れる際に発生する音(曝気音)のメカニズム

地下流水音の測定実績

現在まで、地下流水音が検知された実績を示します。
日本においては、全国で地下流水音が検知されました(図4)。
また、世界では、アメリカ、台湾、タイ、インドネシア、モンゴル、ミャンマーなどで地下流水音が検知されています(図5)。
ケッペンの気候区分図に地下流水音の検知された地域を重ねると熱帯、亜熱帯、温帯、亜寒帯、寒帯、砂漠気候で地下流水音が検知されており、世界のさまざまな気候条件においても地下流水音測定装置を用いることができることが分かります。

日本での測定実績

図4 日本で地下流水音が検知された場所

世界での測定実績

図5 世界で地下流水音が検知された場所と気候区分図

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